一人一人が動けば世界は変わる 〜ドイツ国際平和村トーマス・ヤコブス氏〜
お久しぶりです!
しばらくブログを書いていませんでしたが、気づけばもう春。最後の高校生活が始まりました。ちなみに一昨日は誕生日で、18歳になりました〜(選挙権✨)
さて、4月20日に「未来のいのち 国際サミット」というものにパネリストとして参加させていただきました。ドイツの国際平和村代表であるトーマス・ヤコブスさんが来日され、若者と対話する時間を設けてくださいました。私は時間の都合上少ししか話す機会はなかったのですが、ヤコブスさんのお話に聞き入っているうちに時間が過ぎていました。
「ドイツ国際平和村って?」
ドイツ国際平和村は、名前の通りドイツにあります🇩🇪
行なっていることは「平和教育活動」
東南アジアやアフリカ、中東など、紛争地で傷ついた子供たちをドイツに連れてきて、ドイツの病院で医療を提供します。
ドイツ国際平和村日本語HP:
HPより引用
治療の間、子供たちは色々な国から来た子供たちと生活を共にし、平和村で過ごすうちに3つのことを学んで母国の家族のもとに帰ります。
その3つのこととは
共存すること、平等であること、認め合うこと。
平和村で子供たちが学んだ「助け合う心」は大人になっても忘れないもの。その心の大切さは、子供たちが大きくなってからも伝えてくれる。
「戦争は暴力では無くせない。認め合うことでなくすことができる。僕は、一人一人が動くことで世界が変わると信じています。」
そうヤコブスさんはおっしゃっていました。
私が感じたこと
会場にはたくさんの高校生がいました。壇上から見渡してもどこに大人がいるかわからないくらい。
そんな中で、オーディエンス参加型のディスカッションが始まりました。質問等はほぼヤコブスさんへのもの。中でも多かったのは、子供たちの治療後のこと。
「治療したのにまた紛争地に戻すの?」「母国に帰っても家がなかったらどうするの?」
この問いに対してヤコブスさんは
「子供たちを『紛争地に戻す』のではなく『家族のもとに返す』という意識でやっている。また、子供たちが平和村で学んだことを母国に帰っても実践してくれる。僕は彼らのことを平和の大使だと思っている。子供たちが国の内側から平和の輪を広げていってくれる。」
とおっしゃいました。
しかし納得がいかなかったのか、「でも紛争地に返すことに変わりないですよね?」と高校生。
その後もヤコブスさんは「家族のもとに返すのだ」と何度も丁寧に、言葉を変えながら答えますが、なかなかその子の中では腑に落ちなかったようで…
私はこの状況に少し違和感を覚えました。
平和村では母国で適切な治療が受けられない子供たちに医療を提供するだけでなく、大切な学びも提供している。素晴らしいことだと思います。でも、彼らにも与えられないものがある。
それは、家族からの愛です。
子供たちがドイツにいた方が危険にさらされないことは明らかです。でも、「子供たちを守るため」といって家族の元から引き離すなんてこと、あっていいはずがない。私たちから見れば、そこは危険な場所かもしれない。でも子供たちにとっては、そこは大切な故郷。苦しい思いもしたけれど、家族や友達との思い出が詰まった場所。
それに、紛争が解決するためには外からのサポートだけでなく内側からの変化も必要です。だから平和村で学んだ子供たちがその役割を果たすのではないでしょうか。
子供たちの可能性は無限大です。
私が言いたいことは、どうか子供たちのことを「かわいそう」というフィルターを通して見ないでということ。日本に住んでいたらわからないことだらけで、先入観からそう見てしまうことは仕方のないところもあると思います。でも、決して子供たちが「不幸」というわけではないんです。私たちとその子供たちの「当たり前」が少し違うだけなんです。子供たちと真正面から向き合わないと見えてこないことが多いと思いますが、現地スタッフとして働いている方の「まずは知ってほしい」という言葉がすごく胸に残りました。
「私たちは子供たちの笑顔からエネルギーをもらっている。活動をする中で一番嬉しい時は、子供たちが母国に帰るとき。寂しいけれど、治療を無事に終えて帰る時がきたということ。
そして私たちは、解散するために活動している。紛争がなくなり、傷つく子供たちがいなくなり、私たちの役目がなくなることを願っている。」
ドイツ国際平和村で活動されている方々をとても尊敬しています。
とてもたくさんのことを学べた良い機会でした。
大学生になったら平和村に行ってみたいな!